【試し読み】王太子殿下の美貌に騙されてはいけません、実は激しく××なんです!

あらすじ

男爵家で働いていたアンリエッタはある日、養生のためにこの地を訪れたという少女ステラと出会う。すっかり打ち解けたアンリエッタは彼女が王都帰る前日、ステラと彼女の兄エヴラールから一緒に来てほしいと懇願される。戸惑いながら了承するアンリエッタだったが、なんとこの兄妹は王太子と妹姫だった! 無事に王宮到着するも二人の継母メレーヌ王妃からひどい仕打ちを受ける。傷ついたアンリエッタをエヴラールは優しく励ます。自室に招いて手ずからクッキーを食べさせてくれたり、励ましのキスをしてくれたり――ところが、エヴラールの好意はどんどんエスカレートして……ついには抱きしめてきてあんなことやこんなことを!?

登場人物
アンリエッタ
男爵家で働いていたが、ステラとエヴラールに頼まれ王宮で侍女として働くことになる。
エヴラール
白金の髪に端正な顔立ちの王太子。妹であるステラの為にアンリエッタを王宮へ誘う。
試し読み

プロローグ

 切り立った断崖にそびえる白亜の王宮からは、アストラ国の王都ソランジュの街並みが一望できた。中心に建つ大聖堂を起点に放射線状に家々が広がる様子は、満開を迎えた大輪の花のようだった。
 綿にも似た柔らかそうな白い雲が浮かぶ青空の下、頬をくすぐる麗らかな風は春の訪れを告げていた。それに反して、馬車に乗り込んでうつむいた十六歳の少女は、まだ真冬の中にいるような寂しそうな表情とやせ細った手足のせいで実年齢より幼く見えた。
「ステラ。時間を見つけて会いにいく。こちらのことは何も心配しなくていいから、ゆっくり体を休めるんだ」
 馬車の窓の外からかけられた優しく穏やかな声にステラは顔を上げて、かろうじてそちらの方を向き、小さく頷いた。
 窓の外にいた青年が、それを見てホッとしたように微笑む。陽光をいっぱいに浴びたプラチナブロンドの髪が、穏やかな風にサラサラとなびいて、神秘的な青灰色の瞳をわずかな間だけ隠した。
 長い指先で前髪をすくって耳にかけた彼に向かって、ステラは口を動かす。
(お兄様。ごめんなさい)
 鼓膜を震わせることができなくても、唇の動きでそう語っているのが伝わったらしく、彼はゆるゆると首を横に振った。
「気にしなくていい」
「エヴラール殿下、そろそろお時間です」
 背中にかけられた声に青年──エヴラールが軽く肩をすくめ、ステラにもう一度微笑んで馬車から離れる。
「向こうに着いたら手紙を書いてくれ。どんなことでもいいから」
 今度は大きく頷いたステラの瞳から、ぽろりと涙の粒がこぼれ落ちた。兄を心配させてはいけないと思ったのか、ぐっと唇を噛んで袖で顔を覆う仕草に、エヴラールの心が痛む。
「ステラ様をよろしくお願いいたします」
 さきほどエヴラールに声をかけた男が御者に手を挙げて合図を送ると、鋭い鞭の音とともに馬車が動き出した。
 軽やかな蹄の音と軋む車輪の音が少しずつ遠ざかり、丘を下ってその姿が見えなくなるまで、エヴラールともう一人の男はその場に立ち尽くしていた。
「俺もついていくべきだっただろうか」
 ふもとに見える栄えた街並みと彼方に広がる鮮やかな草原を背景に、憂いの表情を浮かべて立ち尽くすエヴラールの姿は、まるで一枚の絵画のようだ。
 幼い頃は女の子のように可憐な顔立ちをしていたエヴラールだが、年頃には男性らしく凛々しい表情へと変わっていった。
 それでも愛らしい雰囲気も同時にまとったままだったので、醸し出す中性的な色気が無自覚に老若男女問わず周囲の人々を虜にした。誰が言い出したのか、その姿を目にした人々の間で『麗しの光の君』と呼ばれている。
 彼の父──アストラ国王であるジスラン・ヌダム・フォレステも人当たりのいい柔和な人物ではあるのだが、亡き王妃の美貌を生き写しにしたかのように、均整の取れたエヴラールの面立ちは絶世に値した。
「俺のたった一人の妹なのに、何もしてやれないのが情けない。レオンスもそう思うだろう?」
 眉を寄せ、いまだに馬車の向かった先を向いたまま呟いた青年の姿に、ななめ後ろに控えていたレオンスは頭を垂れた。
 エヴラールが子供の頃からそばに仕えているレオンスは、彼の無意識に放つ輝かしいオーラに尻込むことはない。
「南のロンダ地方へ静養に行くことを提案されたのはよかったと思いますよ。ですが、殿下の代わりは誰にも務まりませんから」
 顔を上げたレオンスは、眼鏡の銀色の縁を押さえて、きっぱりと言い放つ。するとエヴラールが、靴のつま先を変えて振り返った。
「それに、殿下が不在となれば、キファル宰相がこれ幸いとばかりに自分の娘との縁談を勝手にメレーヌ様と進めるだけです」
「それは困る」
 継母であるメレーヌの名前を聞いた途端、不服そうに曇らせた彼の顔は、子供の頃から変わらないと、レオンスは心の中で懐かしさを覚えて、笑みがこぼれるのをこらえる。
「ま、殿下を前にすると大体どのご令嬢も石になったみたいに動かなくなるか、色彩が乱舞する眩しい光に耐えきれなくて、逃げ出してしまうかのどちらかですからね。そう簡単にいくとは思えませんが」
 肩をすくめるレオンスにエヴラールが苦笑する。
「人を魔物みたいに言わないでくれ」
「事実を述べただけです」
 昔から仕えている使用人には免疫ができているが、新しく王宮内で働き始めた者達には、最初に遠くからエヴラールの存在を確認させる。そして少しずつ時間をかけて彼の佇まいに慣れさせていくのだ。
 そのため、王宮で開かれる晩餐会などで、会ったこともない年頃の娘がいきなりエヴラールと対面すれば、その美貌と輝かしいオーラに正気を保てなくなるのも致し方ないことなのだった。
「キファル宰相は近日中に末娘のバネッサを王宮へ招くそうです。ステラ様の侍女が一人辞めたので、その補充だと言っておられましたが」
「辞めさせた、の間違いだろう?」
 ステラの体調がよくならないのは世話がよくないからだと、侍女達にきつく当たっているメレーヌを、エヴラールは見かけたことがあった。
「私の方でも、他にいい人材がいないか当たってみます」
 さも当然というようにレオンスは胸を張って答える。
「そうか、すまない」
「かまいませんよ、私はあなたの補佐官ですから。雑用は私にお任せください。ステラ様のことが心配でそれどころではないでしょう?」
 レオンスの言葉にエヴラールは素直に頷いた。
「最近は食事もほとんど口にしていなかったからな。このまま寝込んでしまわないか心配だ」
「環境を変えて、よくなることを願いましょう。ステラ様も、エヴラール殿下も」
「俺も?」
 レオンスの言葉が意外だったのか、彼は声のトーンを一つ高くする。
「本当は殿下にも十分な休息を差し上げたいほど、お疲れの顔をなさっている。やけになって適当に縁談を受けたりなさらないでくださいね」
 レオンスは神妙な面持ちで念を押すように強く言った。
「やけになって、か。いっそ、もう妃など娶らないと宣言してしまおうか」
 王家に生を受けた時点で、恋人や伴侶選びが自分本位で進められないことくらい承知だ。しかしながら、まったく自由がないわけではない。
 あれこれ理由をつけて、候補の中から自分好みの令嬢を選ぶことは可能だ。
 それでも彼が今年二十五歳になっても婚約者を決めきれていないことに、メレーヌが業を煮やし、最近立て続けに縁談を持ち込んでくるのだ。
 それに乗っかる形で、宰相のベルナルダン・スティード・キファル侯爵が、ぜひとも娘を妃候補にと名乗り上げてきた。
「焦りは禁物です。機が来れば自然と動き出すものです」
「それはいい方向にか?」
「もちろん。強制でもやけでもなく、心から望んだ時に、おのずと」
「レオンスが言うと、本当にそうなるように聞こえるからすごいな」
 エヴラールはふっと頬を緩めて笑った。この場に女性がいたら間違いなくふにゃふにゃと腰が砕けてしまいそうなほど、蕩けるような笑みだった。
「からかわないでください。今、この国の貴族の力はそれぞれ微妙に拮抗しております。だからこそ、下手に財産や地位だけで婚約者選びはできません。それならば、殿下が心から一緒に添い遂げたい、と思うような女性と結ばれるのが一番だと思うのです。真に愛する女性だとわかれば、どの地方領主も文句は言わないでしょう」
 レオンスは冗談ではなく本気で言っているようだった。
「そういうものか?」
「はい。それこそ、キファル宰相のご令嬢であっても、エヴラール殿下が選んだとなれば大臣達も納得されると思います」
「……お前の言うことはわかった。だがステラが元気になるまでは縁談は受けないとメレーヌに言っておいてくれ」
 小さなつむじ風が起こって、花壇に咲く色とりどりの花びらを舞い上げた。エヴラールは自分の胸にはりついた桃色の花弁を摘まんで目を落とす。
「おや、花の女神があなたに会いたがっているようですね」
 花びらをつまんだエヴラールに、レオンスはくすりと含み笑いをこぼした。
「花の女神──」
「風で飛んできた花びらは花の女神からの手紙。それを胸で受け止めた者の望みは近いうちに叶う、でしたか。かつて、この土地に国を築いた最初の王は女神を妃に望み、手に入れた」
「アストラ創国にまつわる古代の伝承か。まさかお前がそんなロマンチックなおとぎ話を口にするとは思わなかった」
「なんですか、人を冷血人間みたいに言わないでください。地下の図書室にもそれに関する書物が保管されていますよ」
 心外だとでもいうように、目を瞠ったレオンスは、風で乱れた柔らかな黒髪を丁寧に直す。
 その体躯はエヴラールとさほど変わらず、年の頃は四十を過ぎているはずだが、肌には張りがあり上品な身のこなしとそつのない対応で、年齢よりも若い印象を周囲に与えている。
「最近は俺もお前も本を読む暇なんてないな」
 伯爵家の次男で爵位を継げないとわかった時から、王家に仕える道を選んだというレオンスに妻はいない。エヴラールが子供の頃から教育係としてそばにいる彼に、恋人がいるという話も聞いたことがなかった。
 国王は現在体調が優れず、宰相が実権のほとんどを掌握しているような状態だった。それでも、彼一人に任せることはできないため、エヴラールも公務を増やしている。それに伴ってスケジュールの管理など、レオンスも休む暇がないのだ。
「そうですね。今日も北のベルカン地方から、領主の一人が現状報告にお越しになる予定です」
 わざとらしく上着のポケットから懐中時計を取り出して眺めた彼は、王宮へ向かって足を踏み出した。
「ベルカン地方か。ここ数年不作が続いているようだな。今年は農民達が苦労しない年になるといいが」
 エヴラールは気の毒そうに北の空を眺めてから、先を行くレオンスを追うように歩き出した。
「そのことですが、少々、私に調べさせてほしいことがございます」
「何か気になることがあるんだな? かまわない、好きにしろ」
「ありがとうございます」
 振り返ったレオンスは恭しく頭を下げてから、王宮に入っていった。
「花の女神とやらがいるのなら、ステラの凍りついた心を温めてくれ。俺の望みはただそれだけだ」
 白塗りの階段を上る一歩手前で足を止めたエヴラールは、どこまでも青く澄んだ空を振り仰ぎ、色素の薄い瞳を細めて祈るように、ゆっくりと瞬きをした。
(本当に女神がいるなら、一度会ってみたいものだ──)
 開いた指先からこぼれ落ちたひとひらの花弁が、強い南風にさらわれて、あっという間に空の高みへ吸い込まれるように見えなくなっていった。

第一章 竪琴の調べに誘われて

 重い木の扉を開けてアンリエッタが外へ出ると、思った以上に強い日差しが照りつけてきた。春先にしては珍しく風のない穏やかな日だった。
 清々しい真っ青な空に向かって、大きく深呼吸しながら体を伸ばすと気持ちがいい。
「やあ、アンリエッタ。また竪琴を弾きにブナ林へ行くのかい?」
 声をかけられて、そちらを向くと、庭師がほうきを持って立っていた。
「ええ。午後の仕事が始まるまで、少しだけ」
 大切そうに小型の竪琴を抱きかかえたアンリエッタは顔をほころばせた。
 大きな人懐こい琥珀色の瞳は弓なりに細められ、頬が愛らしくふっくらと持ち上がる。瞳よりも少し薄い飴色の長い巻き髪は、仕事に差し支えないように後ろで一つにまとめられていた。
 お仕着せのエプロンドレスは足首までの長さで黒地に白の質素なものだったが、毎年新調してもらえるだけでもありがたいことだ。
「しばらくはやめておいた方がいいと思うよ」
「え、どうして?」
 予想していなかった庭師の言葉にアンリエッタは目を丸くした。
「丘の向こう側に公爵様の別荘があるだろう? 昨日からどうやら客人が来ているらしい」
 彼の言葉につられるように、今から行こうとしているブナ林の方へ目を向ける。こんもりと盛り上がった地形からは向こう側を見ることはできない。
「そうなの? 知らなかった。でも丘の向こうまで行くわけじゃないし……」
「わからないぞ。もし狩猟でもするとなったら、野ウサギと間違われて撃たれるかもしれない」
「まさか。だって野ウサギは竪琴を弾いたりしないでしょ」
 くすくすと笑いながら、アンリエッタは胸に抱いたユリノキの小さな竪琴をつるりと撫でた。使いこまれたそれはなめらかで、すっかり手になじんでいる。
「まあ、気をつけて行くんだよ」
 彼女の気が変わらないことを悟ったのか、庭師は苦笑して手を挙げた。
「お屋敷の中で弾ければいいんだけど」
 住み込みで働いているガウス男爵家の近くにあるブナ林で休憩時間に竪琴を弾くのは、彼女の日課のようなものだった。しかし、男爵が神経質な人物で、過度な物音を嫌うために、音の聞こえないところまで行かないと叱られてしまうのだ。
 竪琴の音色は静かだと彼女は思っていたが、ガウス男爵はそうではないらしく、結局屋敷から離れた場所で演奏するしかなかった。
「じゃあ、いってきます」
 庭師に手を振り、男爵の敷地を出たアンリエッタは、乾いた白砂の道を進んでいき、途中で緑豊かな丘に足の向きを変える。
 少し急な斜面を軽く息を弾ませ、上りきったところが彼女の目的の場所だ。
 目の前に広がるブナ林の足元には、春先の短い間だけ咲く白や桃色の小さな花が群生している。
 下草の生い茂る林を慣れた足取りで奥へ向かい、一本のブナの木の根元に置かれた大きな石の上に座った。これは、彼女が別の場所から運んできた椅子代わりのものだ。
 膝の上に乗せた竪琴を胸に抱えて、弦を指の腹で弾く。優しく繊細な音色が林の中に溶け込んだ。それから両手を弦に添えた指がなめらかにそれをつま弾いていき、優美な旋律を奏で始める。
 そよ風に揺れる葉が作り出す木漏れ日のように、ゆったりとした穏やかな響きにアンリエッタの口元が緩んだ。
 陽光が一つに結い上げた飴色の髪の上に降り注いで、綺麗な光の輪を描いている。
「お母さん、今日はとっても暖かいわよ」
 竪琴を弾きながらアンリエッタは呟く。彼女の母親はこの世にいない。
 五年前に亡くなった母が生前教えてくれた曲は片手で足りるほどしかない。それを繰り返し演奏していると、休憩時間はあっという間に終わってしまう。曲を何回弾いたかで大体の時間がわかるので、アンリエッタは一曲終わるごとに足元に小枝を並べていった。
(あと一曲弾いたら戻らなくちゃ)
 五本目を苔の上に置いた時、背後でパキッと枯れ枝が折れる音がして、ハッと顔を上げる。
──野ウサギと間違えられて撃たれるかもしれない。
 庭師の言葉が耳元でよみがえり、顔から血の気が引いた。
「わっ……私はウサギじゃありません!」
 息を吸い込み、盛大に叫んでから勢いよく後ろを振り返った瞬間に、目の端で捉えた鮮やかな水色の服がブナの幹の陰に隠れるのが見えた。
「えっ、誰っ?」
 声をかけると、その人物は走り出そうとしたが、長いワンピースの裾が木の枝にひっかかってしまい、焦ったように振り返った。その顔がアンリエッタの方を向いて、すぐに逸らされた。
(妖精さん……?)
 少女を見て脳裏に浮かんだ言葉は、それ以外に見つからなかった。
 透けるようなプラチナブロンドの長い髪が印象的な少女だった。花冠でもしていれば、完璧におとぎ話に出てくる妖精だ。
 上品な水色の服にはフリルがたっぷりと入っていて、枝にひっかかっている繊細なレースの部分は純白で、今にもちぎれそうだ。
「待って、無理に引っ張ってはだめ。私が取ってあげるわ」
 アンリエッタは慌てて竪琴を石の上に置くと、勢いよく立ち上がって少女の方へ駆け寄った。少女の方はあきらめたようにそこに立ち尽くし、気まずそうにそっぽを向いたままワンピースの裾を掴んでいる。
「こういうのは破れたらお直しが大変なの……って、奥様が言っていらしたわ」
 にっこりと口元を緩めながら、アンリエッタは慎重に枯れた小枝からレースの部分を外した。
「はい。これで大丈夫」
 事なきを得たドレスの裾がふわりと少女の足元に戻る。
 口をつぐんだまま、ぺこりと頭を下げる彼女を見て、アンリエッタは微笑ましくなった。
(恥ずかしがり屋さんなのね)
 身なりのよさから、おそらく庭師が言っていた公爵の客人の娘なのかもしれない。
「この丘の向こうの別荘から来たんでしょう? 私はこの反対側にあるガウス男爵のお屋敷で働いているアンリエッタというの」
 怪しい人間がいると公爵へ告げられたら、もう竪琴を自由に演奏できる場所がなくなってしまうかもしれない。早めに身の上を明らかにして、少女の不信感を取り除かなければ。
「公爵様も滞在なさっているの? 狩猟のご予定はないかしら?」
 いまだ黙ったままの少女は、首を小さく横に振るばかりだが、狩猟の予定がないだけでも安心だ。
 途端にアンリエッタはハッと口元に手を当てて、息を呑む。
「ごめんなさい。質問ばかりして。もしかして、ここへ来たのも竪琴の音がうるさかったから注意しに来た、とか?」
 また質問してしまった。しかし今度は先ほどとは違って、はっきりと大きくかぶりを振られた。絹糸のようなプラチナブロンドがサラサラと宙を舞う。
 うるさかったわけではないとわかって、アンリエッタはホッと胸を撫で下ろす。

※この続きは製品版でお楽しみください。

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