【試し読み】俺様御曹司の幼馴染愛~極上フィアンセは溺愛の手を緩めない~
あらすじ
突然、お見合いの席に連れ出された瑠璃。相手は幼馴染で大手企業御曹司の蓮──優しく過保護で王子様のような存在だった、初恋の人。しかし蓮とはある時期から気まずい関係となって距離をとっており、結婚なんてとんでもないと瑠璃は戸惑うが、蓮からの強引な提案で同居生活を始めることに。一緒に暮らし始めると、大人の男性へと変貌した蓮の精悍な美貌と優しさに甘く包まれ、瑠璃の恋心は再び顔を出し想いが膨らみ続けていく。蓮は瑠璃の仕事にも理解と協力を惜しまず尽くしてくれていたが、残業で瑠璃の帰宅が遅くなってしまったある夜、ちょっとしたアクシデントから瑠璃は蓮に激しく誤解をされてしまって……!?
登場人物
突然連れ出されたお見合いの席で幼馴染の蓮と再会。お試しの同居生活を始めることに…
大手飲料メーカーの御曹司で瑠璃の初恋相手。婚姻を強引に推し進め、婚前同居を提案する。
試し読み
お見合いなんて聞いてません
真新しい畳の上に、華やかさを競い合うように絹の海が広がっている。
その真ん中に立つ私の肌に、柔らかで冷たい絹がまた一枚ふわりと掛けられた。
「瑠璃、今度はこれを当ててみて」
「こんな振袖、今まで見たことなかった。……すっごく豪華だね」
「これは私のお祖母ちゃまが結納の時に来た振袖だって。……やっぱり、あの時代の物って本当に贅沢だわねぇ」
今私が肩に羽織っているのは、牡丹の花が刺繍された豪華な一枚だ。
黒地に色鮮やかな花が絢爛と咲き誇るその振袖は、ひと目で特別に誂えられたと分かる独特の柄行と艶やかさで、誰もが思わず見惚れてしまう美しさだ。
「九月だから本当なら単衣が良いけど、今日は涼しいしやっぱりこれにしましょう。キミちゃん、瑠璃の髪とお化粧してやって」
「翠ちゃん、どんな感じにする? 瑠璃ちゃん、あんまり派手に盛っちゃうと華やかになりすぎるから、この振袖にするなら髪と化粧はちょっと抑えめにした方がいいんじゃない?」
私の髪を触りながら、キミさんが言う。
先代の時代から我が家の稼業である料亭『花野井』の奥を束ね、家族同然に過ごしているキミさんは、仲居さんたちの着付けを毎日やってくれていることもあって一流ホテルの美装室にも負けない着付けの腕の持ち主だ。
五年前私が成人式の折にも振袖を着せてもらったが、その着付けは華やかな振袖姿の集団の中でもかなり目立って、友人たちの間で今でも時折話題に上るほどだった。
「そうねぇ。キミちゃんの言う通り、やっぱり今日は清楚にまとめた方がいいか。じゃあ任せるから、綺麗にしてやって。私は帯と小物を決めちゃうから」
母の言葉にキミちゃんは満足そうに頷くと、襦袢を着ただけの私を姿見の前に座らせ、ウキウキと化粧に取り掛かる。
「……お運びの手伝いをするくらいで、どうして振袖なの? こんな豪華な振袖じゃ仕事しにくいよ」
「まぁまぁ。翠ちゃんもたまには瑠璃ちゃんに着物を着せて楽しみたいんでしょ。私だってそうよ。せっかく年頃の娘がいるんだし、綺麗にして見せびらかしたいじゃないの。老い先短い年寄を楽しませてちょうだいよ」
キミさんは二十五年前、生まれたばかりの私を連れて母が実家に戻ってきた時から、女将として忙しく働く母の代わりに私の面倒を見てくれた。
お世話になったキミさんにそう言われると私も弱い。
気を取り直して鏡越しに微笑むと、キミさんもにっこり笑ってくれる。
「さぁさ、おしゃべりはお終い。急がないと、もうあんまり時間がないからね」
キミさんはそう表情を引き締めると、慣れた手つきで私の髪を整え始めた。
私の実家、『花野井』は東京にある老舗の料亭だ。
女将である母はそこに生まれた一人娘で、現在は大女将である祖母とふたり、忙しく家業を取り仕切っている。
そんな家庭に生まれた私、高石瑠璃は今年で二十五歳。小さな幼稚園で先生として働く、ごく平凡な女の子だ。
二十数年前、母は周囲の反対を押し切って大学の同級生だった父と半ば駆け落ちのように一緒になったらしい。
当時、まだ若かった母には料亭の女将になるという将来が思い描けず、勝気な性格で祖母とぶつかることが多かった母をいつも見守ってくれた優しい父と恋に落ちた。
しかし、幸せな結婚生活は長くは続かなかった。突然の病が父を襲い、あっという間に亡くなってしまったからだ。
生まれたばかりの私とふたりきりになった母は、葬儀の場に駆けつけた祖母とキミさんによって実家に連れ帰された。母はその後若女将として店を切り盛りするようになり、現在に至るという訳だ。
父親はいないけれど、私はそれから女ばかりの家で愛情いっぱいに育ててもらった。
父のことは折につけ母から話を聞かせられているが、優しかった亡き父もきっと祖母やキミさんに感謝していることだろう。
髪を結い、紅をさして着付けが終わると、姿見の中には普段の自分とは全く違う、艶やかな姿が映り込んでいる。
「あら、綺麗にできたじゃない」
いつの間にか部屋に来ていた祖母も、鏡越しに満足そうな微笑みを向けている。
「本当。さすがはキミちゃん、いい仕事するわね~」
「そりゃそうよ、翠ちゃん、今日は気合を入れたわよ~」
何故かいつもと違うテンションの母とキミさんに違和感を覚えつつ、私は大きなため息をつきながら皆を振り返った。
「こんなのでお運びして、振袖汚しちゃっても知らないよ?」
「いいのいいの。日向様のお座敷なら、あんたは会長のお話相手をするだけで良いんだから、気楽に座ってなさい」
実家の『花野井』は江戸時代から続く老舗らしく、昔から財界や政界の顧客が多い。
かくいう日向家も日本を代表する飲料メーカー『リブラ』の創業者一族で、うちにとってはとても大きなお得意様だ。
料亭を営む家で育った私は、まだ小さな頃から『花野井』を訪れる色々な人に、とても可愛がってもらっていた。
特に今日のお客様である日向のお祖父様には出会ったときからとても懐いていたそうで、大人になった今も、何かと気にかけて貰っている。
三年前大学を卒業して幼稚園の先生になってからはこうやって家業を手伝うことは減っていたけれど、日向のお祖父さまが会いたいと言って下さるならば、私だって何をおいても手伝いたい。
それに、忙しく働きながら有り余る愛情を注いでくれた皆のことを思えば、着せ替え遊びに付き合うくらいは仕方ないだろう。
──それにしても、こんな豪華な振袖はちょっと行き過ぎているかと思うけど。
「瑠璃、ホントに綺麗よ」
帯締めの形を整えながら、何故か母が涙ぐんでいる。祖母、キミさんまでもがしんみりと私を見つめている。
嫁に行くわけでもないのに何を大げさなと思ったけれど、皆で私を育ててくれた日々を思うと、そんな感慨も仕方がないのかと思い直す。
「ありがとう。……振袖、久しぶりに着たけど、やっぱりいいね」
私は大げさに袖を広げ、その場でくるりと回って見せる。
私を大切に育んでくれた人たちの笑顔に、たまにはこんな休日も良いかと温かな気持ちになる。
「さ、瑠璃。そろそろお座敷が始まるから、支度なさい。今日はお運びはしなくて良いから、部屋で日向様をお出迎えして」
「うん。分かった」
母たちに見送られ、私は振袖を着て離れから店へと続く長い廊下を渡るのだった。
品の良い調度品で設えられた和室には、既に人数分のお膳が用意されている。
私は入り口に近い下座に座り、お客様を待った。
「おぉ、瑠璃。久しぶりじゃなぁ」
「日向のお祖父様、それに皆様。本日はお越し頂きましてありがとうございます」
三つ指をついてお出迎えすると、ニコニコと笑みを浮かべた日向のお祖父様が私に近寄り、膝をついて手を取る。
「それに今日は、ほんに綺麗じゃ。見違えたぞ」
「ありがとうございます。お客様を前にこんな衣装ではと思ったのですが、母たちが聞かなくて……。女ばかりの家ですので、私で着せ替えごっこをしたがって困ります」
その言葉に、お祖父様に連れ添っている『リブラ』の現社長である日向のおじ様とおば様が優しい笑顔を向けてくれる。
「瑠璃ちゃん、今日は瑠璃ちゃんも僕たちと一緒に楽しんで欲しいからそんな遠慮はしないでほしい」
「そうよ。ウチには娘がいないでしょう? だから私、今日瑠璃ちゃんに会えるのを本当に楽しみにしていたの」
「ありがとうございます」
日向のお祖父様やおじ様は接待も多いけれど、こうやってたまに家族を伴ってここを訪れる。
普段から家族への配慮を忘れない、本当に素敵な方々だ。
「日向様、まずはお席へ。瑠璃、お祖父様をご案内して」
「はい。お祖父様、参りましょう」
私はお祖父様の手を取り、上座へと誘導する。
「瑠璃ちゃんもこっちへ来て。今日はあなたの席も用意させてもらったのよ」
満面の笑みでおば様に迎えられ二つ残った空席の一つに座ると、日向家の三人だけでなく祖母や母たちまでもが、何かを含んだような笑みを浮かべている。
「え……でも私は」
設えられたお膳を前に、私は戸惑いの表情を母たちに向ける。
「お客様でもないのに、こんなお席では……」
それに、私の隣に空いた席がもうひとつあるのも気にかかる。
今日は接待ではなく完全にプライベートで、日向のお祖父様とおじ様おば様、三人のお席だと聞いていたから、まだ他に誰かくるのかと急に不安になった。
──もし蓮くんが来たらどうしよう。
そんな考えがめぐり、みぞおちの辺りがキリキリと痛む。
蓮くん──日向蓮は日向家の長男で、私とは物心ついたころから顔なじみの、幼馴染といっても良い存在だ。
私とはまだ幼い頃にこの『花野井』で出会い、小・中・高と通った私立の学校でも一緒だった。
二つ上の学年だった蓮くんは校内でも何かと私を気にかけてくれ、姉妹のいない私にとってはまるで兄のような存在だった。
そのあまりの過保護ぶりに、中学の頃はクラスメイト達に羨ましがられたほどだ。
それが高校に上がったくらいからだろうか。蓮くんは私に急にそっけない態度を取るようになり、目を見て話してくれることも無くなった。
──私、何か蓮くんを怒らせるようなことをしてしまったのかな。
あんなに優しかった彼の突然の変化を、私は暫く受け入れることができなかった。
それ以来今日に至るまで、蓮くんは私に顔を合わせれば嫌みかダメ出し、意地の悪いことばかりを言う。
彼がお客様だということもあって、私の方はさり気なく受け流して距離を取るようにしていたけれど、蓮くんの方は執拗だった。
どんな些細なことでも、理路整然と揚げ足を取ってくる。その憎々しげな顔を見るのが辛くて、最近では蓮くんが同席する宴席には顔を出さないように気を付けていたほどだ。
「今日はわしがどうしても瑠璃と会いたくて開いた宴席じゃ。そんなことは気にせずゆっくりしておくれ」
私の心中を知る由もなく、お祖父様はにこにこしながら私を見ている。
隣に座るおじ様もおば様も揃って「瑠璃ちゃんが来てくれて嬉しい」と一生懸命言ってくれるので、無下に席を立つこともできない。
そうこうしているうち料理が運ばれ、お祖父様が呼んだのか馴染みの芸妓や舞妓さんたちも部屋に揃った。
『花野井』自慢の板前さんたちが腕を振るった料理を楽しみながら、芸妓さんの三味線に合わせて舞妓さんが踊る。
いつも料理を運ぶ時に目にしている光景だけれど、こうやって宴席について眺めるのは初めてのことだ。
──それにしても、今日はいったいどういう集まりなのかな。
こうやってお茶屋遊びを楽しんで下さるのはいつものことだけれど、何故急に私まで招いて下さったのかが引っかかる。
それに、振袖まで着せてくれた母や祖母の意図もいまひとつよく分からない。
それでも、席についての初めてのお茶屋遊びに夢中になり、楽しい時間が瞬く間に過ぎていった。
──楽しかった。今日はこんなに綺麗な着物も着せてもらって、本当に素敵な時間だったな。
こんな雅な席にいられたことに感謝しつつ宴もたけなわとなった頃、タイミングを見計らったように部屋の障子が開けられた。
その人物が足を踏み入れただけで、部屋の空気が一瞬で入れ替わる。
「遅くなりました」
ひと目で上質と分かる濃紺の三つ揃えに、えんじ色のネクタイ。いかにもビジネスライクな姿なのに、漆黒の髪と瞳が彩る顔立ちはハッとするほど華やかだ。
秀麗な額、スッと通った鼻筋と薄く引き締まった唇は男性にしては整い過ぎているけれど、切れ長の強い眼差しと鍛え抜かれた逞しい体躯が、彼の際立った美貌を精悍なものに変えている。
蓮くんはちらりと私に視線を向けた後、素知らぬ顔で隣の空席に座った。
「おお、蓮、やっと来たか」
「お約束通りに来ようと思ったのですが、少し気になる案件がありまして……申し訳ありません」
「いやいや、仕事熱心で結構。役員たちの話では、なかなか頑張っているらしいな」
お祖父様は満足そうに目を細め、蓮くんを見つめる。
蓮くんは今、『リブラ』の営業企画部で働いている。大企業の後継ぎという立場に甘んじることなく、まずは現場で修業をさせるというのが日向家のモットーらしい。
たまに祖母や母から聞く話では、上司や同僚の信頼も厚く将来を嘱望されているようで、たまに馴染みのお客様の話題にも上るという。
いつの間に来たのか、座敷の入り口に母と祖母の姿も見えた。
仲居さんたちが蓮くんの料理を運び終えると、華やかだった芸妓さんたちもはけて部屋には日向家の人たちと私達だけが残った。
「瑠璃、蓮さんにお酒を」
「はい。……どうぞ」
母に言われて徳利を手にする。普段は料理を運んだり器を下げたりするだけなので、こんなお酌をするのは初めてだ。
ぎこちなく震える私の手元に、蓮くんが無言で盃を差し出す。
溢さないように緊張した手つきで盃を満たすと、その様子をジッと見つめていた蓮くんが、私から目を離さないまま一気に盃を煽った。
誰にも気づかれないよう投げられた蓮くんの視線が熱を帯びているような気がして、胸の鼓動がドキリと音を立てる。
「あら、蓮さんったら良い飲みっぷり。……瑠璃、早く次を」
上機嫌の母に促されてさらにお酌をしようとすると、スッと伸びてきた長い指が、私の手から徳利を取りあげた。
「瑠璃、お前も飲め」
「えっ……でも私、お酒はあまり……」
「いいから。そんな姿のお前を見ていたら、なんだか飲ませたくなった」
相変わらず強引な蓮くんに私は小さなため息をつく。
そんな様子を、おじ様やおば様、母たちが何故か固唾をのんで見守っていた。
──何なの? 今日のこの緊張感……。
お酒はあまり得意じゃないから本当は辞退したいところだが、皆が集中して成り行きを見守っているこの状態では断りにくい。
私は仕方なくお膳に置かれた盃を手に取った。
「それじゃ、少しだけ……」
けれど蓮くんは何故か私が手にした盃を取り上げ、代わりにさっき自分が使った盃を私の手にそっと乗せる。
「こっちでいいだろ」
「えっ」
「しっかり持て」
蓮くんは有無を言わさず盃をいっぱいに満たすと、その切れ長の瞳を挑発めいた光で煌めかせる。
私はあまりアルコールに強くない。もう成人して五年が経つが、普段からアルコールを飲む習慣もない。
料亭の娘なのにおかしな話だと言われればそれまでだが、普段はお運びや洗い場専門で、酒席でお客さんの相手をするなんて機会も皆無だ。
もちろん家族の祝い事や勤め先の幼稚園での飲み会などでアルコールがテーブルに並ぶ機会は年に数回あったが、せいぜい度数の低いものをグラスに一杯ほど飲む程度だった。
それに、これはさっき蓮くんが飲んだ盃だ。
こんな考えはあまりにも幼稚だが、これは俗に言う間接キスという物ではあるまいか。
「瑠璃。ここで客として過ごすのは初めてだろう? いい機会だから少しだけでも飲んでご覧。さすがは花野井の板長が厳選したもの、料理の味を引き立てる飲み口だ。……飲めないなら残りは俺が飲んでやるから、心配するな」
濡れたような漆黒の瞳で蓮くんにジッと見据えられ、訳もなく心拍数が上がる。
私の脳裏に、さっき蓮くんがこの盃を躊躇いなく飲み干した姿が蘇った。
あの形の良い唇でこの盃に触れ、日本酒で濡れた唇を男らしく指で拭った蓮くん。
「いい飲みっぷり」と母が言ったように、お酒、特に日本酒の飲み方にはその人の本質がはっきり表れるものだ。
蓮くんの酒席の作法は完璧で、しかも壮絶に色っぽかった。その色気が治まらぬまま、私から目を逸らさないのだから、男の人に免疫が無い私には刺激が強すぎる。
意味不明な蓮くんの迫力に押し切られ、私は盃に口を付けた。
高いアルコール度数を思わせる粘膜の痺れと、すっきりした辛口の味わいが心地よい。
私は勢いに任せ、蓮くんに喉を見せるように盃を飲み干した。
「はぁっ……」
喉に焼けるような熱を感じて思わず息を吐き出すと、蓮くんは困ったように微笑みながら、ごく自然に親指で日本酒に濡れた私の唇を拭う。
あまりの大胆な振る舞いに、驚きすぎて何の反応もできない。
「良い飲みっぷりだが、瑠璃は思ったより強情だな。……もう飲めないと泣きついてくるかと思ったのに」
「だって、蓮くんが飲めって」
「いや、それでいい。それでこそ俺の嫁だ」
蓮くんは短くそう言い放つと、にわかに背筋を正した。
その瞬間、急に部屋全体に奇妙な緊張感が漂う。
──な、何なの? それに、蓮くん、今おかしなことを言ったような……。
私の脳裏をいくつもの疑問符が埋め尽くしていくけれど、蓮くんは一向にお構いなしだ。
「今日は僕の我儘で瑠璃との見合いの席を設けて頂き、本当にありがとうございます。今、瑠璃も盃を交わしてくれましたし、僕としてはこの縁談、早急に進めたいと思っています。……どなたか異存のある方はいらっしゃいますか」
蓮くんはそう言って、堂々とした振る舞いで周囲を見渡す。
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