【試し読み】当て馬令嬢は幸せになりたい~公爵閣下の不埒な執愛~
あらすじ
どうして私は、誰にも選ばれないの?──侯爵令嬢のリリーは貴族女性としての幸せである結婚を目標にたゆまぬ努力を続け、花嫁候補としての条件も申し分ないはずだった。なのに社交界デビュー以来振られまくり、恋人を他の令嬢に奪われ……ついたあだ名は『当て馬令嬢』。それを繊細な美貌を持ち女性たちから常に注目を浴びる幼馴染の公爵クリスフォードから揶揄われる日々。昔は優しくて頼りがいがあって大好きだったクリスフォード。なのにある時からリリーに冷たくなり、彼への初恋は今でも胸に燻ったまま。そんななか、偶然知り合った異国の貴族男性と急速に距離が近づくリリー。やっと運命の人と出会えたと喜ぶが──
登場人物
幸せな結婚のために努力してきたが、なぜか婚約前に振られ続け『当て馬令嬢』とあだ名される。
リリーの幼馴染で初恋相手。圧倒的な美貌で女性にモテるが、リリーには冷淡な態度をとる。
試し読み
昨今幸せには様々な形があると巷では話題だ。これまでの価値観は前時代的だと批判され、新たな生き方が新聞の紙面を賑わせている。
中でも大きく変わったのは女の生き方だろう。
ここ十数年で、女がひとりでできることはずっと増えた。多くの女性たちはこれまで許されなかったことに挑戦している……もっとも、それは平民女性の話だ。
平民よりもずっと恵まれているはずの貴族に生まれた女の幸せは、今も昔も同じ、ひとつしかない。
結婚し、子を産み育てること。
その目標に向かって、私リリー・オルブライトはずっと努力してきた。
結婚するのに必須とされる「淑女の教養」の範囲はとても広い。礼儀作法に始まり、この国の歴史、近隣国の言語、様々な楽器の演奏、裁縫、絵画……学ぶべきことはとても多い。
そのどれもが貴族女性としての幸福を掴むために必要なことだと言われたから、私は人並み以上の成績を修めるように努力した。決して主観的な評価ではなく客観的に見ても私は優秀と認められていた。
「貴族としての矜持を持ち、責任を自覚し、己を律していれば、必ずふさわしい相手に選ばれます」
家庭教師はそう断言した。
「そのために自分を磨くことを怠ってはなりません。立ち振る舞いから身に着けるもの全て一流であることが、幸せになるためにとても重要なことです」
その言葉通り、私が身に着けている者は全て最上級の品だ。
今夜のために新調したドレスは、極上の絹を特殊な技法で真っ赤に染め上げたもので、並みの貴族ではまず手の届かない品である。その上腰から裾にかけて薔薇の形を模した大きな襞飾りがたっぷりとつけられている豪奢な意匠は、とても華やかだ。下半身にドレスのボリュームが集中している分、上半身には敢えて目立つ装飾をつけていない。けれどその分胸元に光るダイヤモンドの首飾りの存在感が際立つように計算されている。
ドレスには、装飾品には、なんの問題もない。
もちろん顔だって、悪くはない。父譲りの暗い深緑色の瞳と吊り上がった目尻、額を半分だけ覆う艶のある黒髪と白い肌は母譲り。多少目つきは悪いけれど、基本の造作は整っている。
……でもだったらなぜ、今私はいわゆる壁の花になっているのだろう。
パートナーとして共に参加した兄は一曲踊っただけでさっさと紳士専用の喫煙室へと逃げ込んでしまい、私はたったひとり、広いダンスホールの片隅にある長椅子に座り、ぼんやりと周囲に視線を投げている。目の前では、色とりどりの令嬢たちが紳士とそれはそれは楽しそうに踊り笑っているのに。
つまらない。もう何もかもがうんざりだ。
踊り続ける人々を眺めるのに疲れ、私は立ち上がると庭園を臨めるバルコニーへと移動する。
案の定庭に面したその場所は賑やかな室内とは全くの別世界のようにしんと静まっている。庭園で男女のひそやかな逢瀬や悪だくみが始まるのは、もう少し夜が更けてからだ。……ちなみに夜の庭園に私は自ら出入りしたことはない。何しろ正しい淑女なので。
ガラス一枚隔てただけなのにそこは驚くほど静かで涼しかった。知らず熱気に当てられて火照った頬を撫でてくれる風が気持ちいい。
「……何も見えないのね」
昼であれば疲れた目を慰めてくれるはずの木々の緑や色とりどりの花は夜の闇色で塗りつぶされ、シルエットしかわからない。
「リリー、こんなところにいたの? 探したわよ!」
緩くため息を吐いた瞬間、背後から突然声をかけられてびくりと大げさに肩を揺らしてしまう。
振り返ると友人であるシンシア・ブランドンがいた。濃紺のシンプルなドレスに身を包んだ彼女がいそいそと近づいてくる。
「シンシア、脅かさないで。ブランドン伯は?」
「あちらで友人と話しているわ。……あれ? ひとり? バルクーム卿は?」
友人が出した名に、思わず苦笑いが口元を歪める。
「さあ?」
「なによ、もったいぶらないで。リリーからの『やっと信じられる相手が見つかった』って手紙を読んで、領地から飛んできたのよ。紹介してもらうのを楽しみにしていたんだから!」
それでも私が黙ったままでいると、みるみるシンシアの顔が曇っていく。
「……もしかして、また?」
恐る恐る確認されて、私は苦笑したまま首肯した。
「嘘でしょ!? だって手紙を貰ったのはほんの一週間前よ!?」
シンシアが驚くのも無理はない。実際、壁の花となった私に話しかけてきた人たちは皆彼の名を口にした。「今夜はバルクーム卿と一緒ではないのか?」と。
……それだけ私と彼は親密だと認められていたのだ。
「なにかあったの?」
「何も。ただ、今夜のお誘いをした時にもう夜会のパートナーにはなれませんって、それだけ」
「嘘でしょ?」
驚きのあまりシンシアが淑女らしからぬ声を上げる。それも当然だ。
交際は順調に進むものの、まさに婚約寸前といったところではしごを外されるように心変わりされるのは、これが初めてではない。
「今はトレナ男爵令嬢と親しくお付き合いされているようよ。先ほどお見かけしたわ」
彼らが姿を現した途端、私に話しかけてくる人は老若男女問わずいなくなった。全てを察したのだろう。さすがにフラれた令嬢にあれこれ経緯を聞きに来るほど意地の悪い人はいなかったらしい。まあ尋ねられてもシンシアに答えたこと以上のことは何も言えないけれど。それくらい、私たちの交際は呆気なく終わってしまった。
「もう次の相手がいるの!? ……ねえ、これで一体何人目?」
「もう数えるのはやめたわ」
嘘だ。本当は全て覚えている。バルクーム卿で六人目だ。交際まで発展しなかった人を含めればもう十人。一昨年十七歳で社交界にデビューして以来、私は振られまくっている。
自分で言うのもなんだけれど、私はかなり条件のいい「花嫁候補」だと思う。これは別に己惚れているわけではない。客観的な事実である。
建国以来の名門オルブライト侯爵家のひとり娘。祖母の遺産を引継ぎ持参財も個人の財産も十分。顔だって多少目つきが悪いけれど、二目と見られぬほど悪いわけじゃない。
貴族の結婚は、自由恋愛の体を取っているけれど、基本的に「自分と釣り合う相手」と縁を結ぶものだ。私は高位貴族の令嬢として、自分が幸せな結婚をするだろうことを疑いもしていなかった。
実際、社交界にデビューするやいなや、私に声をかけて来た紳士は本当に多かった。
舞踏会では休む間もなくひっきりなしにダンスの相手を申し込まれたし、家には様々な催しへのお誘いや個人的なお誘いが比喩ではなく山ほど届いた。私は完全に、選べる立場だったのだ。
ところがいざこの人と決め親しくお付き合いを始め、それ以上……婚約へと向かう段になると、皆急に手のひらを返したように私の元から去っていく。
それだけではない。私と別れた彼らはあっという間に相手を定め、結婚してしまうのだ。長年結婚相手を定めなかった人気のある紳士ならともかく、堅実なおよそ二股などかけるとは思えないような人でも例外なく。
「……あなた巷でなんて呼ばれているか知っている?」
普段は領地で暮らし、社交から遠ざかっているシンシアにまで聞こえてしまったのか。
「『当て馬令嬢』だったかしら。すごい呼び名よね」
乾いた笑いが口元を歪めた。繁殖用の牝馬をその気にさせるためだけに存在する牡馬に例えられるほど、私と関わった紳士はもれなく結婚しているのである。
おかげでもうこの国の社交界で純粋に私を気に入って声をかけて来る紳士などいない。一縷の望みをかけて今夜の舞踏会に参加してみたけれど……完全に無駄足だった。
その上別れを告げられたばかりの恋人が新たな恋人を伴って参加している姿まで目にしてしまうなんて、本当に私は間が悪い。
「それにしてもよりによってトレナ男爵のご令嬢って……。あり得ないわ」
「シンシア。声が大きい」
やや声が大きくなった友人を嗜めたものの、ふたりの関係を知った時私も全く同じことを思った。
社交界でトレナ男爵家の評判はあまりよろしくない。先代までは平民で、お金で爵位を買った典型的な成金であることに加え、上流階級のしきたりに疎く、マナー違反を繰り返していることで嫌われているのである。肝心の商売の方でも、街の高利貸しを始め、ずいぶん阿漕なことをしていると私のような小娘の耳に入ってくる程だから、相当である。
そして令嬢の方も「淑女の教養」をろくに身に着けておらず、失笑を買っている場面を何度も目にしている。……というか、あまり社交界に出ないシンシアにすらその悪評が届いているという時点で、私とは違う意味で有名人なのだ。
「……それだけ、強く思い合っているということなのでしょう」
私の敗北宣言を聞いたシンシアの顔が痛まし気に歪む。
「ねえリリー。もうここまでくると神からの試練としか思えないわ。ちゃんと教会への寄進はしている? 礼拝にも参加している?」
「もちろんよ。毎日の祈りだって欠かしたことはないわ」
富める者が貧しきものに施しをするのはそもそも貴族の義務であるし、定期的な寄進も礼拝への参加も信者として当然のこと。言われるまでもない。
しかし神からの試練とは、いかにも信心深いシンシアが言いそうなことだと内心苦笑する。彼女は元々信心深い性質だったけれど、それがきっかけとなり伴侶と出会ったことでますます神への感謝が増した感じだ。
「だったらなぜリリーだけ結婚できないのかしら。本当に不思議よ」
シンシアがしみじみとため息を吐く。
「まあ、ここで駄目になってむしろよかったのよ。結婚してから本性を現して浮気されるより、ずっとマシだもの。次の相手を探すわ!」
明るくそう言うと、シンシアが苦笑する。
「リリーは強いわね。私ならもう諦めて領地に引きこもっているところよ」
「シンシアはそれで正解だったものね」
私と同い年のシンシアも、また結婚に悩む令嬢のひとりだった。私と違って引っ込み思案だった彼女は、どうしても積極的な人間が有利な王都の社交には馴染めなかったのだ。
何度か辛い思いをしたあと、シンシアは領地に戻る選択をした。けれどそこで今の夫であるブランドン伯爵と出会ったのだ。
シンシアの領地は馬の名産地で、競馬好きの貴族がよく訪れる場所だった。ブランドン伯もその中のひとりで、馬の買いつけに訪れた際、たまたま立ち寄った教会で集会の手伝いをしていたシンシアを見初めたのである。
「大丈夫よ、リリーならきっといい人に出会えるわ!」
「もちろんよ。不誠実な男なんてこちらから願い下げだもの! ……ほら、旦那様のお迎えよ」
「あらまぁ」
室内からこちらをうかがうブランドン伯の姿を見て、シンシアが少しの恥ずかしさと喜びを混ぜた声を上げる。もう結婚して一年経つのに、まるでまだ結婚したばかりのようだ。
「私はもう少し涼んでいくから」
「でも、こんなところにひとりにできないわ」
夫の元へ戻るように促した私にシンシアが心配そうに言う。
淑女は人気のないところでみだりにひとりになってはいけない。バルコニーに出るなんてもってのほか。それはデビューしたての若い令嬢が付添人から必ず言われることだ。
ねえ、シンシア。私ふられ続けてもう誰も追いかけてきてなんてくれないのよ。頼みの兄だって私のことなんてほったらかしなの。私がひとりでいることを気にする人なんて、嘲笑いたい人だけよ。
そんな本音はぐっと飲み込んで笑顔を取り繕う。幸せな友人にこれ以上心配をかけたくなかった。
「お兄様が喫煙室から戻って来るまでだから大丈夫よ。せっかく久しぶりに舞踏会に来たのだから、旦那様と楽しく踊っていらっしゃいな」
「……わかったわ。でも一曲踊ったらすぐに戻ってくるから!」
渋々といった体でシンシアが室内に戻って行く。けれど夫の手を取った彼女の顔は抑えきれない喜びに溢れていた。
ブランドン伯爵はシンシアよりも十五も年上のおじさんだ。……でもふたりはどう見ても相思相愛の素敵な夫婦だった。
「……いいなぁ」
笑った幸せそうな親友の姿を見て独り言ちる。
結婚できる女と、できない女。選ばれる者と選ばれぬ者。
その差は一体どこにあるのだろう。
もう何度繰り返したかわからない問いがまた、頭の中で存在感を増していく。
ガラス張りの扉の向こう、フロアで笑いさざめく人々から目を逸らし、月明かりが照らす庭園へと目を向けた。
瞳に滲んだものを扉の向こうにいるような人には見せたくなかったから。
「……もう、諦めた方がいいのかしら」
シンシアの前では強がってみせたけれど、正直今回の失恋は相当堪えた。
条件だけなら悪くないどころかいい方だと思っていた。ずっと、その認識に縋って生きてきたと言ってもいい。けれどもうその認識は改めなければならない。──私はもう、選ばれるような女ではないのだ。
社交界にデビューしてもう三年。近頃は男性の気を惹くために自分よりも年下の令嬢に混じり夜会や催しに参加することが苦痛になっていたし、陰でこそこそと「年増」と悪口を囁かれる場面に遭遇したことは一度や二度ではない。
そんな中でバルクーム卿は、本当にようやく見つかった相手だったのだ。
……シンシアには見栄を張って甘い恋人同士の時間をあれこれ手紙で報告したけれど、実のところ私たちは令嬢たちが夢見るロマンスとは程遠い間柄だった。あからさまに示しはしなかったけれど、彼は私の持参財が目当てだったし、私は既婚者という称号を求めていただけ。
だからトレナ男爵令嬢のように私よりお金を持っていてより若い相手がいれば、捨てられて当然なのだ。……でもまさか、あの令嬢を選ぶほど困窮しているとは思ってもみなかったけれど。
「どうして?」
自問の声が酷くかすれて響いた。
どうして私は、誰にも選ばれないの?
もう王都から逃げたくて領地にいる両親にそちらへ帰りたいと手紙を書いた。けれど、返事は非情にも「社交シーズンが終わったら兄と一緒に帰ってきなさい」だった。
そりゃ自分が崖っぷちであることはわかっている。でも、両親は結婚についてはなぜか「可愛いリリーならいい相手が見つかるよ」と完全に私へ丸投げ状態。
つまり私はひとりこの冷たい王都で婚活という名の戦いを続けなければならないのである。
もう、疲れた。
何もかも放り出して、領地に逃げ帰りたい。祖母から受け継いだ土地に引きこもりたい。
「こんなところにいたのか。探したぞ」
すんと鼻を啜り上げたその時、呆れたような不機嫌な声が私の背中に投げつけられた。それだけで相手が誰だかわかってしまう。
よりによって、今一番会いたくない相手のご登場である。
「……何か御用? 公爵閣下」
深呼吸ののち、さりげなく目尻を拭って、振り返る。そこには案の定……私にとっては天敵とも言える男──クリスフォード・タウンゼントがいた。
彼に弱味を見せられない。
咄嗟に身構えた私の反応を見てか、彼はフンと鼻を鳴らし続ける。
「萎れているかと思えば、案外元気じゃないか」
「なぜ私が萎れているとお考えになったのかは存じませんが、おかげさまで元気に過ごしておりますわ」
涙を拭ったせいで汚れた手袋の指先を隠すようにさりげなく握り込む。ああ、手提げ袋を馬車に置いてくるのではなかった。でもこの状況で鏡など見てはいられない。化粧は滲んでいないだろうか。
「見ごろを終えた切り花はもう萎れる頃合いだろう。十分楽しんだならあとは新しい花に入れ替える必要がある」
「あら、公爵閣下は植物にはお詳しくないのかしら。花を長持ちさせる方法はいくらでもありますのよ」
私の返答などもちろん負け惜しみだ。それを十二分に理解しているクリスフォードはわざとらしく肩をすくめてみせる。その仕草が実に絵になるのが腹立たしい。
クリスフォード・タウンゼント公爵の美貌は、自他共に認めるところだ。
月の光の元でも黄金色に輝く豊かな髪は夜の装いにふさわしく撫でつけられ、神秘的な青い瞳は人を従える強さを宿している。端正な顔立ちとそれらが合わさると、まるで神話に出てくる神の遣いの如き美しさだ。
けれど一見繊細な美貌から女性的なものを感じさせないのは、そこに甘さや柔らかさが一切見当たらないからだろう。
上背があり、装飾のついた服の上からでも肩のたくましさや締まった筋肉がついているのが誰の目にも明らかなほど立派な体躯が、彼の男性的な魅力をさらに引き立てていた。
見た目だけなら、最高なのに。
私は心の中でため息を吐く。あいにく神は彼に二物を与えなかった。
「どんなに美しい花でも、選ばれなかったら意味はないがね」
クリスフォードは美しい口元を楽し気に歪める。
ほらきた。
身構えてはいたものの、明確に傷つけるためだけに発せられた言葉はやはり痛い。
今日彼もこの夜会に参加しているのを知ってから、絶対にちょっかいをかけてくると思っていた。まさに私が人目につかない場所でひとりになるのを待っていたのだろう。その狡猾さと執念深さにうんざりする。
「おかしいなぁ。私は先日、君の口から直接『運命の相手に出会った』と聞いたはずなのだが。残念なことにバルクーム卿の運命の相手は違ったようだね」
以前クリスフォードとふたりきりになった時、私がひとりでいることをあれこれ言うものだから我慢できず、付き合っている相手がいることを話してしまったのだ。思い返せば悔やまれるけれど、あの時はまさか別れるだなんて思っていなかったし、今以上にネチネチとやられて本当に嫌だったのだから、仕方ない。
今夜は、余計なことを口にするまい。何しろ反論すれば倍になって返ってくるだけでなく、こうして後々まで攻撃の口実にされてしまう。
だから私は無表情のままじっと黙り込む。反応するから奴は面白がるのだ。
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