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2020
01.07

【16話】魔性の色男は鋼鉄処女を蕩かせる

毎日無料

作品詳細

「わ、……あっ!?」
 慌てて隠そうとした手を掴まれベッドに縫い付けられる。
「キスするだけだから、怖くないから」
 そう言うとクリューガー氏は形のいい唇を鎖骨あたりに落とす。ちゅう、と軽く吸われるが、それはキスではなく別の……愛撫とか前戯とかいうものなのでは? 疑問をぶつけたかったがそんな余裕はない。顔にかかる氏の髪の感触に、香りに気が遠くならないように歯を食いしばるので精一杯だった。なんで男なのにこんなにいい匂いが……色男だからかそうなのか!? どうでもいいことばかりが頭を駆け巡る。わかっている、これは現実逃避なのだ。あまりの出来事に私の思考は飽和状態に陥っているのだ。しかしなんだか叫び出したい……!!
 いろいろ忙しい私を尻目にクリューガー氏は余裕なのか幾分笑いを含んだ声で話しかけてくる。
「ザシャの肌は白くてきめが細かい……視線にも陽にも晒されていない、まっさらな肌だな」
 金色の頭がもぞ、と動いてすぐ左胸の上あたりに唇を受ける。ちりっと僅かな痛みを感じる。
「い、たっ」
 実際にはそんなに痛みを感じたわけではなかったが神経が過敏になっているし、普段触れられない箇所なので思わず声が出た。
「あ、すまない。強く吸い過ぎたかな」
 ではここはもっと優しくしなければ、と呟く言葉が胸の突起の上で消えた。あ、と思ったときにはその慎ましやかな突起はねろりと熱い舌で舐られ口に含まれてしまった。
「ンっ!! く、クリューガー、文官んっ! な、なにして……?」
 ちろちろと舌先で突起を転がされ優しく吸い上げられる。びくりと背筋が戦慄くのと同時に腹の奥がとろりと溶けだしたような感触があった。
「なにって、キスだろう?」
「キス……!? キスの定義とは?? それにそこは……別に……」
 赤子でもあるまいしそんなところ口に含んで楽しいのだろうか……というか、恥ずかしいからやめて欲しい……!
 しかしクリューガー氏は意外そうに瞠目した。
「あれ、気持ちよくないか? ……ではこれは?」
 先ほどよりも強めに先端を吸われると同時に右の胸の突起がきゅ、と摘ままれた。
「ひぅ……っ!?」
 ぴりりとした刺激と痛気持ちいい感覚が同時に走り、口から変な声が漏れた。そしてまたどこかがとろりと溶けた気がした。
「なるほど。乳房は優しく、乳首は強めに吸った方が好きなのだな」
 反論も憚られるような恥ずかしいことを堂々と言い放つクリューガー氏の指はクニクニと突起を弄ぶ。そのたびにわたしはどこかが溶ける感覚を味わい続け、それを我慢するために足の指でシーツを掻いた。本当は膝をすりあわせたいのだが生憎足の間にはクリューガー氏の大きな身体が挟まっている。
「う、……んんっ! や、まって……!」
 違う、これはキスじゃない……そう言いたいけれど今度は吸われて敏感になった方の突起を摘ままれてしまう。
「……っ!?」
 びりり、と背筋に雷が走った。痛いだけではないなにかが同時に身体中を走り抜ける。じゅわ、と溶けた私があふれ出す……しまった、私はなんてことを! 慌てて下半身に力を入れ肘を付いて起き上がろうとすると、動きを察知したのかクリューガー氏がその大きな手で素早く私の両手を戒め頭の上に固定する。
「今更逃げるのか? こんな私を置いて?」
 こんな、と言いながら氏は私の下腹部に自らの腰を擦りつけるように動かした。そこはいつの間にか固くなっており、パンツの前立て部分を押し上げるように大きくなっていた。
「ひ、や……あっ!」
 男性の股間を擦りつけられた精神的衝撃と前立のボタンの固さが物理的に下腹部に作用し、わたしは背を弓なりにしならせる。
「イヤとは心外だな……これがおきらいかな?」
 グリグリと更にボタンが柔らかい肉を刺激する。そしてそのすぐ下の器官ごと蕩けて流れ出すような感覚。
 ああ、駄目なのに……! こんなに……されたら。
「違うの……待って、お願い……クリューガーぶ、……んかん……」
 そこに力を入れようとしても、もう意思でなんとかなるような状態ではなかった。さっきから痛いくらいに張り詰めている。きっと口を開けてとろとろとだらしなくよだれを流しているに違いない。
「こういうときの待っては逆の意味だって知っているかい?」
 齧り付くように口付けをされ激しく舌を絡ませるクリューガー氏は何故か眉間にしわを寄せている。
 そうか、わたしがあまり聞き分けのないことばかり言うから気分を害してしまったのか……元はと言えばわたしがねだったキスが引き金なのだから、このくらいの恥は……恥のうちには入らないのだろうか。
「…………くそ、っ」
 唇が離れた瞬間、クリューガー氏が小さく舌打ちをしたのが聞こえて首が竦んだ。怖い、こわい。嫌われたくない、でも恥ずかしい、せめて待って欲しい。キスが、……優しいキスが欲しい。
 こんなときまでキスが欲しいなど、わたしはどれだけ浅ましいのか。混乱する思考の中でおぼれそうになっているわたしの口から突如「へぅっ!」と生まれて初めての発音が飛び出した……氏の指が秘めた部分を暴こうと、太ももを身体の中心に向かってなぞるように動いたからだった。

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