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【24話】幼なじみエリート上司と一途で秘密な両想い

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 体と体が触れて、不安からときめきへと気持ちが変わっていく。隼人は私を優しく見つめた。
「佳穂ってさ、子供の頃からモテてたんだよ。お前は、全然気がついてなかったけど」
「そ、そうかな……」
 突然、昔話をされて照れくさくなってくる。でも、そのお陰で気落ちしていた気分は、だいぶ直ってきた。
「そうだよ。佳穂のファンだった奴、何人か知ってる。だから、小松くんが佳穂を好きでも、驚かない。むしろ、当たり前だと思う」
 隼人にそう言われて、ようやく自分に笑みが戻ってきたのが分かる。やっぱり、隼人はどこまでも優しい。心の中が温かくなっていくのを感じていると、隼人が唇を重ねてきた。
「ん……」
 濃厚な口づけに、ドキドキする気持ちが加速する。そして、ゆっくりとその場へ押し倒された。
「今夜は、狭いとかはナシな。もう、止められない」
「は、隼人……」
 私を見下す彼は、真剣な眼差しで、でもじれったそうにネクタイを外す。そして、ジャケットを脱ぎ捨てると、私の首筋にキスを落とした。
「あ……」
 たまらず声を漏らすと、隼人は私のシャツのボタンを外し始めた。
「佳穂が魅力的なのは、理解してるつもりなんだけどさ。でも、嫉妬の気持ちもあるんだよ。秘密にしておくのも、辛いもんだな」
 隼人はそう言いながら、私の素肌にキスを落とす。鈍い痛みを感じるそのキスに、彼のもどかしさが分かるようだった。
「ん……。ふ……」
 でも今の私には、隼人の言葉に答える余裕がない。むしろ、彼から与えられる愛撫に、応えることに必死だった。
「佳穂、お前をやっと捕まえたんだ。絶対に、離さない」
 隼人はズボンのベルトを緩めると、さらにキスを重ねてくる。お互い、少し汗ばむ体を重ね合いながら、熱を帯びる甘い時間に夢中になっていた。

 隼人との甘い時間が終わり、時刻を確認すると〇時を過ぎている。まだ、どこか夢心地の私とは対照的に、隼人は早々に着替えをしている。早く帰りたいみたい。
 やっぱり、シングルベッドだと心地悪いのかな、なんて、少し寂しく思いながら、ベッドの中で彼を見つめていた。
「佳穂、起きれる?」
「え? うん……」
 言葉の意図が分からないまま、ゆっくりと起き上がる。まだ、体の奥がじんじんとする。そんな鈍い痛みでさえ、愛おしく感じながら落ちている服を拾い上げ着た。
 見送れということなのか。とりあえず服を着終えると、それを確認した隼人が私の額にキスを落とした。
「じゃあ、着替えを準備して。俺のマンションへ帰ろう」
「隼人のマンションに?」
 思いがけない提案に、頭が一気に冴えわたる。つい今しがたまで感じていた、ふわふわとした気分は吹き飛んでいった。
「そう。やっぱり、佳穂のベッドは小さいんだよな」
「ごめん……。そうだよね」
 肩をすくめながら苦笑いを浮かべると、隼人はクスッと笑った。
「なんていうのは冗談。ちょっと、持ち帰りの仕事があってさ。どうしても、帰らないといけないんだ」
「持ち帰りの……? それなら、忙しいんでしょ? 私が一緒でいいの?」
 ここが心地悪かったわけではなかったと分かって、それはホッとした。だけど、週末だというのに持ち帰りの仕事があるなんて、隼人はどこまで忙しいんだろう。それは、心配になる。
「佳穂が一緒だからいいんだろ。ちょっとさ、シュミレーションしてみないか?」
 ニッと笑う隼人に、私は首をかしげる。
「シュミレーションって?」
「新婚の。たとえば、俺たちが結婚をしたら、どんな毎日になるかとか」
「ええっ!? け、結婚!?」
 さらっと、衝撃的なことを言われ、動揺を隠せない。隼人はそんな私を見ながら、涼しげな表情をした。
「そうだよ。俺は、そのつもりで付き合ってるんだけど、お前は違うの?」
「そ、それは。そうなれたらいいなとは思うけど、隼人から直接言われたわけじゃないし……」
 自分で口にしながら、なんて情けない返答をしたのかと思う。挙句、彼のせいにしてしまっているし。
 ただびっくりしただけだと、素直に可愛く言えたらよかった。そんな後悔を感じていると、隼人は急に真剣な表情に変わった。
 じっと私を見つめる目に、思わずドキッとしてしまう。
「俺としては、もっとロマンチックにいきたかったんだけど、佳穂に不安な思いをさせたくないから言う。あとで、やっぱり夜景の見えるレストランがよかったとか文句は無しな」
「は、隼人……?」
 ドキドキする気持ちが加速する。胸の高鳴りを感じていると、隼人に優しく手を握られた。

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