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【14話】幼なじみエリート上司と一途で秘密な両想い

作品詳細

「構わないよ。俺は、そのままの佳穂がいい。余計なことを、気にするな」
「でも……」
 とためらう私をよそに、隼人は包み込むように胸に触れた。
「あ……」
 たまらず声が出てしまう。そんな私を満足げに見た隼人が言った。
「よかった。感じてくれてる」
「だから、恥ずかしいってば」
 思わず顔をそむけると、隼人は首筋にキスを落とした。
「恥ずかしいことじゃないだろ? 俺は、佳穂を好きだから抱きたい。佳穂は違うのか?」
「……ううん。私も一緒。好きだから、隼人に抱いてほしいの」
 私としては精一杯の言葉で、気持ちを伝える。この十年間、どれだけ隼人を想っていたか。もうそれを、抑えていたくはなかった。
「佳穂、お前のこと、本当に大事にするから。俺にちょうだい。お前の“初めて”を」
 隼人はそう言って、自分の服を脱ぎ捨てた。そして、私の服もゆっくりと脱がせる。
 初めて目にする彼の体は、想像するよりずっと逞しくて、筋肉がほどよくついている。
 いつの間にか、こんな素敵な大人の男性になっていたんだ──。
「佳穂の体って、綺麗なんだな。それに、柔らかい」
 隼人は私の体を抱きしめると、耳元でそう囁いた。
「隼人こそ、体がすごく締まってる……」
 服の上からよりずっと、身近に感じる隼人の温もり。そして、直接肌が触れ合うって、こんな感じなんだと思うほどに、吸い寄せられるように彼の体に自分の体がフィットする。
 少し汗ばんでいる隼人の体に手を回して、ぎゅっと抱きしめた。
「バスケ、ずっとやってたから。佳穂との思い出の一つだもんな、同じ部活だったこと」
「うん……。私、男子バスケが終わるのを、ずっと待ってたのよね。だからって、一緒に帰れるわけじゃなかったのに」
 隼人が体じゅうをキスしてきて、呼吸がどんどん乱れていく。中学時代を懐かしく思い出しながらも、彼の愛撫にそれが飛んでいきそうになっていた。
「あ、それ分かる。俺は逆だったから。女子って終わるのが早いんだよな。佳穂がもう帰っちゃうじゃんって、毎回思ってた」
 そう言いながら隼人は、今度は手で体じゅうを触れていく。たまらず声が漏れていた。
「ふ……。あ……」
 せっかくの懐かしい話なのに、私に余裕がなくなってきているみたい。そんな私を、隼人は笑みを浮かべて見た。
「思い出話は、またあとにしようか? 佳穂、もう喋れないだろ?」
「ん……。だって隼人が……」
 体がどんどん熱くなり、言葉にできない気持ちが込み上げる。これが、体を重ね合うということ?
「俺がなに? そうさせてるって言いたい?」
 どこか意地悪く言う彼に、私は小さく頷いた。だって、それは本当だから。隼人の甘いキスと愛撫に、もうなにも言えなくなってしまった。
「佳穂は、大人になっても可愛いな。やっと、お前を俺のものにできる……」
 そう言った隼人は、息もできないくらいのキスをしてくる。
 好きという言葉だけでは足りないくらいに、彼が愛おしくてたまらない。この十年間、隼人だけを想っていた日々が、やっと実っていく感じがする。
 もう、離れたくない。このままずっと、彼の側にいたい。そんなことを思いながら、私は今夜初めて甘い夜を経験した──。

「佳穂、寒くないか?」
 体を重ね終えて、ベッドで余韻に浸っていると、隼人がそう聞いてきた。
 まだお互い、服を着ていない。汗が引き始めて、隼人がそっと私に布団を掛けてくれた。
「ありがとう。でも、大丈夫。だって、隼人が温かいから」
 ずっと、私を抱きしめてくれているから、少しも寒くない。それに、やっと隼人と恋人同士になれたことが嬉しくて、気分はかなり高揚していた。
「そろそろ、服を着るか。もうちょっと、佳穂の素肌に触れていたかったけど」
 そう言いながら、隼人はベッドの下に落ちていた服を拾い上げた。
「もう、隼人ってば、そういう恥ずかしいことばかり言うんだから」
 彼から服を受け取ると、それを着た。隼人のことだから、私の体が冷えるのを気にしているはず。
 その優しさが分かるから、素直に応じた。
「佳穂は、なんでも恥ずかしがり過ぎなんだよ。本当のことを言っただけだし」
 と、隼人も服を着ながら口を尖らせている。そんな彼に、クスッと笑った。
「だって、隼人がやっぱり違うから。子供の頃は、そういうセリフ言ってなかったじゃない」
「あの頃に、佳穂の体に直接触りたいって言うほうがヤバイだろ?」
 そう返されて、今度は声に出して笑った。テンポのいい隼人との会話は、本当に楽しい。これは、子供の頃から同じ──。

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