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【12話】お見合い相手はスパダリ系ドクターでした!

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 翌日の朝、週の始まりの月曜日。
 朝食を食べながらお父さんが口を開いた。
「千加。相野谷くんはこのまま見合いの話を進めたいって言ってくれているけど、どうする?」
 当たり前だけど、お父さんは私たちに何があったのかを知らない。
 だから、千加がもし気に入らなかったら無理しなくていいけどってニュアンス。
 返事はとっくに決まっていたし、相野谷さんも私が断らないことなんて承知している。
「あ……うん。私も……また会ってみたい、かな」
 会ってみたいどころか、寝ても覚めても思い浮かぶのはあの優しげな面差しばかり。
「そうか。よかった。じゃあ先方にも伝えておくから」
 お父さんは早々に食事を終わらせると、嬉々として電話をかけに席を立った。
 娘の私を結婚させてもいいってぐらい、相野谷さんは信頼する相手なのだろう。
 でも、実は結構エッチなんだから。
 お父さん、それ知ったら卒倒しそう。
 あの日のことを思い出しては赤面してしまう。
 家に帰っても、あの感覚を思い出しては中心が疼いた。
 触って欲しくて堪らなかった。
「ちーかちゃん、どうしたの~? ニヤニヤしちゃって」
「ニッ、ニヤニヤなんてしてないよ……」
「だって、趣味に没頭してる時と同じ顔してる。すっごく楽しそう。そういう千加の顔久しぶりに見たから嬉しいなって思ったのよ」
 お母さんをずっと心配させてたのかな。
 修ちゃんとデートに行く時は、きっと楽しそうじゃなかったんだろう。だって、今思い返しても、出かける前に考えてたことって一つだけだ。
 先週したから、きっと今週はしない、大丈夫。そればっかり考えて、会う前は憂鬱になっていた。
 エッチしない日は、たくさん修ちゃんの話が聞けて楽しい。
 今日はよかったって思ってた。
 けど、したいって雰囲気を出されると、途端に私は意気消沈してしまう。
 気づかれてはいなかったと思う。
 必死で隠してたから。
 本当は、何度エッチしたって慣れなかったし、帰りに痛みに耐えて笑顔を作るのも大変で、家が近い分送らなくていいが通じないから、帰るといつもグッタリしてたんだ。
 私が何に悩んでいたかなんてお母さんは知らないだろうけど、詳しく話せなかった分余計に気になっていたんだろう。
「相野谷くんが、千加にそういう顔させてくれたのかな?」
「あ、相野谷さんは関係ないし……」
 相野谷さんに満たされたから、毎日楽しくて仕方ないなんて惚気られるほど、厚顔じゃない。
「で、次のデートはどこに行くの?」
 お母さんの方がよっぽど品のないにやけ顔で聞いてくる。
「お弁当持って、ピクニック……」
 素直に告げれば、お母さんは目を丸くしてお腹を抱えて笑いだした。
 この間、屋上でおにぎりを食べたのがすごく楽しくて、次はどこに行きたいって聞かれてつい、公園にって言っちゃったんだ。
 私は、こんな風だからいつも〝お嬢様っぽくない〟って言われるのだろう。
 お嬢様って何なんだろう。格式高いお店に行って、ブランド服に身を包んで、笑う時は口元に手を当てて、そうしないといけないの?
 確かに、私のおじいちゃんも医者で、両親も医者。だけど、私はしがないOLだし、貰ってるお給料だってそう多くはない。
 自分のお金でやり繰りしようって思うと、そんな贅沢はできないんだ。
 でも、そんな私の提案を相野谷さんは馬鹿にすることもなく、いいねって言ってくれた。本心からそう言ってくれてるって信じられる。
「相野谷くんなら、千加のこと大切にしてくれるわよ」
「うん。じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい」

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