【最終話】国王陛下の寵愛蜜戯~獰猛な独占欲~

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「や、やだ……やめ、て」
「どうして? 目に焼きつけさせてよ、この先もう泣くことなんてないんだから」
 セフェリノのくちびるが涙を吸い取る。
「僕といるんだ、もうこんな泣かせるようなことは起こさせない。ごめん。保証するよ、僕はナディアのことを大事にするよ」
 セフェリノに抱きしめられ、ナディアは胸に飛びこんだ。
 まだ感情がぐるぐると定まらない。
 それでも彼の胸にいたかった。
「ナディア、どうか僕の妻に」
 うなずく。
 はい、とちいさな声で応え、またナディアは涙を落としていた。

 鐘の音がして、ナディアは目を覚ました。
「いけない」
 身を起こす――セフェリノに抱きしめられたまま、長椅子で眠ってしまっていた。
「いけないことなんてないよ、寝顔もかわいかった」
 まだ日は落ちていないが、かなりかたむいてきている。
 起き上がろうとしたナディアの背に手を入れたセフェリノが、身体を回転させてきた。
「きゃ……」
 ひとつ瞬きするほどの時間で、ナディアはセフェリノに組み敷かれている。
「またがんばって仕事しないと……薬師の先生、僕に活力剤を処方してください」
 セフェリノは答えなど欲していない。くちづけてナディアの舌を封じ、ナディアの胸元を開いていく。
「っう、……ん……っ……ぅ」
 ひとがきたら、と気が気でないナディアの舌を嬲り、吸い上げ、セフェリノは容赦なく片方の乳房を弄びはじめていた。
「う……っん、セフェリノ――ひとがきたら」
「こないよ」
「だって、そんなの……」
「ここは私室だからね、うかつに入ってくるやつなんていない」
「さ……最初からそのつもりで……」
 にやりと笑うセフェリノは、ナディアのスカートをめくり上げると、ひざの間に足を割りこませてきた。
「おなじ城内にいるのに、全然きみにふれられないなんて、ひどい話だと思わないか?」
 否定などいっていられなかった――温かい指先が淫裂を割り、きわどい感覚でナディアを乱す蕾を愛撫しはじめる。
「……ひ、あ……んっ、んっ」
 円を描き、潰すようにし、小刻みに揺らし、セフェリノはナディアが短い嬌声を上げる姿を見下ろしていた。
「やぁ、や……っ、ぁあ……んっ」
 ナディアの腰が前後しはじめる。涙目で見上げたセフェリノは、ナディアがずっと女性だと思っていたころと変わらない、美しい笑顔を浮かべていた。
「あぁ……っあっ……あぁっ、やぁ……んっ」
「ナディア、このまま指でいくのと、僕でいくの、どっちがいい?」
 セフェリノの指が緩慢になった。
 絶頂を求めていたナディアの腰が、もどかしくうごめく。
「や、……あ、そんな、の……っ、あ……う」
 セフェリノの指が淫泉に移動していった。入り口をかきまわすがそれもまた緩慢で、そこを満たし激しく翻弄される感覚を思い出してしまった。
 ぴちゃぴちゃとナディアの性感を刺激する音がして、返事の代わりにセフェリノの股間をそっと手で包む。
 強張ったものがそこで息をひそめていた。
「セフェ、リノ……大きく、なってる」
「……そんなかわいいことされても、僕はかわいくならないよ」
 取り出されたものは愛くるしさとは無縁で、獰猛によだれを垂れ流し、いまにも吠え出しそうだった。
 ひざ裏を取られ、高く足を抱え上げられ――セフェリノの挿入は一気におこなわれた。
「うっ、あ……っ、や……おお、き……っ」
 かわいくならないと宣言したとおり、セフェリノの抽送は嵐そのものだった。
 力任せともいえる激しく前後する腰に、長椅子の足がきしむ。
 ナディアは彼の首にしがみつき、荒々しいなか感じてしまっている自分に戸惑っていた。
「や、あ……あぁっ、あ、あぅ……んっ……い、いい……っ」
 肉襞を押し広げられるごとに、蜜が溢れ出てナディアの肌を伝い落ちた。
「結婚までお預けなんて生殺しは……いやだよ、ナディア」
「きもち……い、ああっ、あ……あっ、や……んっ、セフェリノ……っ」
 淫蛇がナディアの蜜で思うままに遊ぶなか、彼とその腰遣いを合わせていく。
 あまりの快感に、なにか淫らなことを口走ってしまいそうで怖い。彼の肩口に歯を立て、ナディアは白く煙っていく意識を受け入れていた。
「ふ、うぅ……んっ、んう……っ」
 絶頂を迎えたナディアは、セフェリノの腰に足をまわして背を浮かせていた。たまらず大きく口を開けたはずみで、ナディアは噛んでいたシャツを放してしまった。
「や、あぁ……っ、もっ、と……いっぱいにして……っ、あぁう……っ」
 耳元でセフェリノがうなり、屹立がナディアのもっとも深い場所で吠える。
 彼の腰から伝わるふるえと同調し、そこで精が放たれているのがわかった。
 それに愉悦を覚え、ナディアは自分がセフェリノの味を覚えこんでしまったのだと思い知らされた。
 腰をくわえこんでいたナディアの足がほどけていっても、セフェリノは挿入した男性を抜こうとしなかった。
「……なんとかして、出かける理由を探さないと」
 ひたいやまぶたにくちづけを降らせ、セフェリノはまじめくさった声でいう。
「手紙のやり取りじゃいけないの……?」
「それじゃ、ナディアにさわれないじゃないか」
「ほ、ほんとはいけないのよ、こ……婚前の……」
 彼を淫肉で包んだままだ、ナディアはそれ以上のことを口に出せなかった――この状況で自分のいえたことではない。
 ナディアのくちびるをそっと噛んで引っ張り、セフェリノは笑った。
「なんだ、そんなこと。僕たちの秘密にしておけばいいじゃないか」
 あまりに魅力的な笑顔でささやかれ、ナディアは首を横に振れなかった。

(了)

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