【28話】国王陛下の寵愛蜜戯~獰猛な独占欲~

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「全部内緒だよ、ナディア。姉上の相手は……再婚なんだから」
「は?」
「奥方が亡くなって、やっと喪が明けたところなんだ……そもそも妻帯者との逢い引きなんて、絶対にまわりに知られちゃいけない」
 今度はナディアがため息をついた。
 それならば、念には念を入れて隠そうとするだろう。
 建国三百年の式典で嫁ぐことが公表される、とミランダは話していた。相手のゼノリアン公爵のことを、ナディアはまったく知らない。どこかで顔を合わせることがあるかもしれないが、そのときに正面から顔を見られるだろうか。
「そんなこと……私に話してよかったの?」
「迷ったんだよねぇ。ナディアは隠しごととか、苦手っぽいから」
「苦手ってことは……ないと思うわ」
 サロンではよそで漏らしてはならないような話を、偶然こぼれ聞くことがある。ナディアはもちろん、サロンを手伝ってもらっているリョースなども他言しないたちだ。
 他言はしないが、嘘をつくのは苦手である――知らぬ存ぜぬで通すしかなくなる。もしくはその場からさっさと退場するか。
 身を起こしたセフェリノの影が、ナディアの顔に落ちた。
「じゃあ、僕がこれからすること……黙ってられる?」
 なにを、と尋ねる間もなく、セフェリノのくちびるでまぶたがふさがれる。
「セフェリノ……?」
 セフェリノの手が、室内着のゆったりした生地を持ち上げていく。
 彼の手にふれられるのはいやではなかった。
 その指先でいつも自分が乱されるのが――恥ずかしい。
 重なるくちびるに、素直に目を閉じる。
「んっ……ふ、ぅ……んっ」
 ナディアは腰の力を抜いていく。セフェリノの指は、淫肉の内側を探っていこうとしていた。彼の二本の指先は、一節ほど侵入するとゆっくり左右に開いていく。
「んぅっ、ん……っ」
 鼻にかかった甘えたような声を合図に、指の腹が敏感な部分を撫でさする。与えられた瞬間腰に力がこもったが、快感とともにそれも解放されていく。
「……ん、っぅん……ふ、ふぅ……っ」
 ナディアはその快感を期待していた自分に気がついた。足を閉じようともせず、彼の下でこれから与えられるものを待ち構えている。
 ナディアの舌を嬲り、指先で小刻みに蕾を揺らしはじめたセフェリノに身を委ねる――そのことに抵抗が消えていく。胸の奥でくすぶる羞恥心は、いまではなんの障壁にもならなかった。
「う……っ、ぁ……あぁっ……い、ぁ……っ」
 くちびるを離れたセフェリノの舌が、ナディアの耳朶を這った。
「ナディア、僕との……このことは内緒だよ。未婚女性がふしだらだ、って怒り出す連中も城にはいるから」
 セフェリノが身体をずらしていく。
 されるがままになっていたナディアだが、彼の顔が下腹部に近づくことを怪訝に思い、身を起こそうとした。
「み、見ないで、セフェリノ……や、ぁあ……っ」
 まさか、と思ったことだった。セフェリノはナディアの花園にくちびるを寄せ、その舌が蕾を撫でていく。
「あぁ……!」
 温かく湿った舌の愛撫に、ナディアはベッドに身を投げ出していた。
 明かりを消してしまえばよかった――ちらりとそんな考えがよぎるが、手遅れでしかない。
 彼の眼前に秘すべきものをさらしてしまっている。ナディア自身でさえかたちを知らず、彼とそうするまではこんなに激しい快感があることも知らなかった。
「ひ……っ、ぅ、あ……はぁ……っ」
 指で転がされたときとはまた違う快感で、ナディアは腰を浮かせて首を振る。
「あ……っ、や……やだぁっ、も……あぁあっ!」
 くちびると舌とで挟まれ、吸われた。ナディアの腰はたやすく絶頂を迎え、快感に洗われていた。
「う……ん……っ」
 胸を上下させるナディアの身体にまたがり、セフェリノはそこでみずからの下腹部をくつろげはじめる。
「ナディア、僕の舌でいやらしいことされたなんて、誰にもいったら駄目だよ」
「い……いわ、ない……」
 いえるはずがない。はしたなく――ナディアはその蜜戯を楽しんでしまった。
 彼に目を向けたナディアは、衣類から解放された屹立が天を仰いで揺れるのを目にした。
「ナディアのいやらしい花が……僕みたいになってたこと、内緒にしておいたげるよ」
 彼の手が屹立を上下に撫でる――その躍るような指先に、ナディアは淫道の奥から突き上げるような疼きを覚えてしまった。
「ナディア……僕たちはこれから、いやらしいこともそうでないことも、たくさんの秘密を共有していくんだよ」
 大きなセフェリノの手に両膝を取られ、ゆっくり開かれる。
「あ……!」
 腰が密着していく。腹部に彼の屹立が当たり、その熱さに吐息がふるえた。ナディアはひどく興奮している。彼に教えられることは、つまびらかにできないことばかりだ。
 悦びながら、ナディアの情欲は彼を受け入れていこうとする。
 花孔に先端が押し当てられると、せがむように彼にしがみついていた。
「う……ぅんっ、ああ……セフェリノ、セフェリノ……っ」
 欲しがっているナディアの肉欲を知ってか、セフェリノの動きは緩慢だった。
 濡れそぼった淫肉が、じっくりと押し広げられていく。美しい彼の容貌からは考えられないほど、その猛りは雄々しく熱を孕んでいた。
 のしかかるセフェリノの重ささえ、ナディアには愛しくてならなかった。
「セフェリノ……あぁ……すごく熱い……」
「もっと熱くしようか」
 抱きしめたセフェリノの腰が、激しくナディアの内側をえぐりはじめた。
「あぁ……! ひ……っ、うぅ……ん……っ」
 落としこまれる腰は苛烈で、そのたびに短くしどけない声が漏れ出た。隠しようのない快感がもたらされる。耳元でセフェリノが重苦しい吐息を吐くと、それだけでも背筋を快感の羽根で撫でまわされたようになってしまう。彼のすべてにナディアは感じていた。
「熱い、いや……っ、いや、ああっ、あ……っ、溶けちゃ……っ」
「ナディア、腰が」
 くつくつとセフェリノが笑っている。楽しげな声に、ナディアは自分が彼に合わせて腰をうごめかせていることに気がついた。

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