【55話】恋甘キッチン~溺愛社長の一途な独占欲~

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「里歩ちゃん」
 名前を呼ばれて彼の目を見つめる。
 すると顔が近づいてきて、優しく唇を重ねられた。
 ベッドの上に組み敷かれ、足の間に彼が身体を入れてくる。大きく足を開かされ、そこに熱くて固いものが押し付けられて、いよいよだとわかった。
「大丈夫?」
 あまりにも衝撃的な行為が続いて、少し麻痺していた緊張感が戻ってくる。
「まだ……なんとか……」
「息するの忘れないで。無理だと思ったら、そう言ってね」
 握っていた手にキュッと力を入れて、目をつむる。
 そうしたら透真さんは抱きしめるように覆い被さってきて、耳朶にキスをした。
 チュッ、チュッと軽いリップ音が耳元で響く。それがくすぐったくて首を竦めるのと同時に、下半身に鋭く重い痛みが走った。
「あっ……!」
「里歩ちゃん、ゆっくり息吸って。吐いて……そう、上手だね」
 これまで感じたことのない痛みだったけれど、最後まで気を失うわけにはいかないという使命感みたいなものに囚われて、私は深呼吸を繰り返した。
 ちょうど息を吐くタイミングで、彼は腰を奥へ進めてくる。
 そうしていたら、事前に想像していたよりずっと楽に、彼を受け入れることが出来た。
「痛い?」
 そう聞かれて、私はそっと目を開ける。
「……痛い、けど、そこまで酷くはないです」
「良かった」
 透真さんが大きな安堵の息を吐いた。
 そのホッとした表情がなんだか可愛らしくて、私の身体からも力が抜ける。
「里歩ちゃんの中、気持ちいいよ。熱くてしっとり包まれてる感じがすごくいい」
 私自身は、下腹部に感じる異物感と圧迫感、そして痛みが残っていて、快感を拾い出す余裕はまだない。
 でも彼が気持ちいいと感じてくれているのなら、とても嬉しかった。
「動いてもいいですよ。ただし、ゆっくり……お願いします」
 透真さんは軽く微笑んで頷き、慎重に抜き差しを始める。
 私は新たに加えられる痛みに耐えながらも、私の上で汗を浮かべ、少し苦しそうな色っぽい表情を浮かべる透真さんの姿に見惚れた。
 いつになく無防備な彼の姿を、他の誰にも見せたくない。
 ずっとずっと、私だけの透真さんでいて欲しい――
「里歩ちゃん……っ」
 グッと奥に入り込まれて、そこに鈍く靄がかった快感が湧く。
 それに驚いて、思わず身体に力を入れたら、その快感はますます強くなった。
「あっ……ぁ」
「奥の方がきゅうっと締まったけど、痛い?」
 そう聞かれ、私は首を横に振る。
「奥……当たると、気持ちいい……」
 すると透真さんは一瞬目を丸くしてから、いたずらっぽく微笑んで言った。
「じゃあ、奥にいっぱい当ててあげるね」
 彼は私がさっき感じたところを何度目かの動きで探り当て、そこを集中して攻めてきた。そこまで激しくなくリズミカルに突かれているだけなのに、段々と快感は膨らんで大きくなっていく。
「あっ、あぁ……ん、やぁ……っ」
「里歩ちゃん、そろそろイクよ」
 彼の動きが一段と速くなった。
 あまり長引かせないとあらかじめ宣言していた通り、彼は私が意識を飛ばしてしまう前に、私の中で絶頂を迎えた。
 脱力して、私の上にのしかかってきた彼の身体の重みを感じる。
 それは今までに感じたことがない感覚で、幸せな気持ちと愛おしさと安心感のすべてがごちゃ混ぜになっていた。

 なんとか最後まで意識を保ったまま身体を重ねることが出来て、また一つ、私の不安は解消された。
 透真さんはこうして少しずつ私のコンプレックスを取り除き、今まで諦めていた夢を、現実のものとして私に見せてくれる。
 ――とびきりの恋をして、その人と結婚して幸せになる未来を。
「里歩ちゃん」
 隣に寝そべって私の肩を抱いていた透真さんが、こちらを向いて囁いた。
「愛してるよ。だから、僕と結婚して欲しい」
 二度目のプロポーズは、一度目の時とは違い、驚きよりも喜びの方がずっと勝っていた。
 すんなりと耳に入ってきたその言葉に、私は自然と頷いて、微笑みを浮かべる。
「はい。私でよければ、どうぞよろしくお願いします」

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