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2020
01.11

【16話】強引御曹司に注がれる溺愛の味

毎日無料

作品詳細

「俺は営業と企画開発の担当をしている。忙殺される毎日だから、こうしてたまに息抜きに来てるんだ。このカフェ、あまり知られてないんだよな。さっき調べた『サロン・ド・テ・ミシェル』は明るくて今どきのオシャレカフェなんだが、こっちは入り口からして入りたくない雰囲気だろ? だから穴場なんだよ」
「入り口は、うん。そうでした。普段の私だったら入らないです」
 思わず、ふっと笑みがこぼれた。
「ほら、やっぱり可愛い」
 頬をちょん、と指でつっつかれる。驚いて顔を上げると、蒼真が微笑んで涼子を見ていた。
「からかわないでください」
「からかってなんかないよ。本気で言ってる」
 誰もが思うだろうイケメンに、そんな言葉を言われてしまったら動揺しないでいるほうが無理だ。とはいえ、恋の悩みなどない彼はきっと、どんな女性にもこうして優しく甘い言葉をかけていそうだ。涼子もそういう女性のひとり。勘違いしてはいけない。
「がっかりした? 本当の店じゃなくて」
「見つからなくても、良かったんです。今日はとにかく会社から離れたくて……」
 つい数時間前までは死にそうな思いをしていた。
 蒼真に抱かれたことでその思いからだいぶ離れることはできたのだが、乗りこんできた女性の表情は頭にこびりついたままでいる。
「そんな目に遭えば逃げたくもなるか。元カレは営業って言ってたな? 取引先の男なのか?」
「はい。でももう、会社は辞めようと思うんです。そうすれば彼に会わなくて済みますし――」
「なんで涼子が辞めなくちゃいけないんだよ。騒動の元になった男が元凶なのに」
「そうかもしれないですけど……。居づらくなっちゃった、から」
 言葉の途中で涙が浮かんだ。
 蒼真の言う通りではあると思う。だが、河野が乗り込んできた昼間の状況の中で、涼子は婚約者がいる男性に手を出した悪女以外の何者でもなかった。本当はそんなつもりじゃなかったのだと、社内の人間にいちいち言い訳をして回るわけにもいかない。人の噂も七十五日とはいえ、こんな醜態を晒したまま社内にいるのはつらすぎる。
 会社の受付は涼子を含む社内の事務方が交代で行うので、近いうちにまた営業に来るだろう元カレに会ってしまうのは必至であり、それを考えると具合が悪くなりそうだった。
「涼子は実家住みなのか?」
「……ひとり暮らしです」
「そうか」
 歯を食いしばって涙をこらえる涼子に蒼真の手が伸びてくる。彼のほうに顔を向かされたと同時に唇が重なった。
「んっ、……んっふ」
 とろけそうなキスを受けていると、彼の手が涼子の体を這い出した。下腹から、もっと下へ……。疼き始めた狭間に指を挿れられ、くちゅりと撫で回される。今のキスで感じた滴りと先ほどの名残が混じって、あっという間にどろどろにされてしまった。
「俺がそばにいるんじゃ、ダメか?」
 蒼真が熱い吐息とともにささやく。
「あなたが……?」
「涼子といたいんだ。俺と一緒にいて、イヤなこと全部忘れろよ」
 彼のそそり立つ硬いモノが、涼子の太ももにぐいと押しつけられた。
「あ……また……?」
「あんなんじゃ足りない。それに俺、涼子が相手だと、何回でもできそうなんだよ」
 涼子の体もまた、全身で彼を欲しがり始めている。
「どうし、て」
「相性がいいんだろう、体の」
「私も、そう思っ……は、あ」
 耳たぶから首筋、鎖骨の下まで蒼真の舌がじっくりと涼子の肌を味わう。彼の指はまだ涼子のナカでぐちゅぐちゅと音を立て続けていた。
「明日になっても、明後日も、ずっと涼子とこうしていたい」
「それは、あ、ああ……」
「可愛いよ、涼子。涼子……」
 涼子を思いやるように、蒼真の温かい指があらゆる場所に優しく触れてくる。

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